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夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第13章 登校日

走り揺れるバスの中を最後尾まで移動していく。
健人は顎で奥に座るように促してきた。
睨むことしかできず、窓際に滑るように腰を下ろしていった。

スタイルのいい歳上の女が尻をシートの上に置くのを眺めると、健人も隣に座り込んだ。
股を少し開き、逃げ道を塞ぐ。

「聞きましたよ…高校生の童貞を奪った痴女らしいっすね…」

【落ち着け…ムキになれば図に乗る……】

結奈は無視を決め込んだ。

「あれ?…お話しするんじゃないんすか…」

そんな気はない。
二人の関係がどんなものかを知っていても、陽翔の友人なのだ、滅多なことにはならない筈だ。

健人は無視する女の顔を覗き込んだ。

【気の強そうな女だなぁ…まぁ、反抗するか、怯えるか…だいたいどっちかなんだけどな…】

「そんな態度とっていいと思ってんの?…」

結奈はようやく少年と目を会わせた。

「なに?…脅すつもり……」

睨んでくる女を目を細めて見つめ返す。

「良かったぁ…話しが早くて…さすが大人っすね…」

どこまでも小馬鹿にしたような態度に虫酸が走る。

「あんた…陽翔の友達なんでしょ…本気で言ってるの……」

「あぁ…押し問答する気なんてないんで…来週のお盆のどこか夜、空けといてくださいよ…今日はそれだけ言いたくて待ってたんで…」

「はぁ?…付き合うわけないだろ……」

「おぉ恐っ…理解したんしょ…脅しだって…」

「なに?…誰かに話す?…あんた陽翔と友達辞めんの?……」

「まさか…あいつは幼馴染みで俺の親友だよ…これからもずっとね……俺、おばさんとも仲いいんすよね…おばさん、驚くだろうなぁ…壊れんのはあんたの家族の方だろ…」

健人はそう言いながらスマホを弄っていた。

【なんなのこいつ…ほんとに陽翔の親友?…最低……】

確かに脅しであることに違いなかった。

「何が望みなの?……」

「あぁ…俺次のバス停で降りるんで…詳しくは後日…」

結奈のバッグの中のスマホが着信に震えた。
健人はスマホを楽しげにかざしている。
スマホを取り出すとLINEの着信があることに驚いた。

【まさか……】

「それ俺なんで…無視とかしないでくださいよ…こう見えて俺、わりと短気なんで…」

健人は降車ボタンを押していた。



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