この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
夜来香 〜若叔母と甥、禁忌の果て〜(改訂版)
第14章 餓鬼
本当に気味の悪い少年だった。
結奈が会社を辞めた本当の理由を話した人間なんてたかが知れている。
その中の誰かと繋がりがあるということなのか。
とはいえ、
【今更私がここに執着などしていないのに……】
「行けばいいんだろ……」
歩道からビルの入り口までは10段ほどの階段になっていた。
「ほんとに口が悪いっすね…陽翔にもそうなんすか…」
10段といっても階段のひとつひとつは二歩分くらいの幅の広いものだった。
疲れ以上に追い詰められていた。
ものすごく発汗している。
それは見知らぬ男達に視られた羞恥心だけじゃない。
その時抱いた感情も定かではないのだが…。
この汗は脂汗だった。
【なんでこんな時に……】
入り口までたどり着けばこの馬鹿げた散歩は終わるのだろうか。
終わりにしてもらわなければ困る。
もう淫裂から滴る愛液すら気にならない。
膀胱が張ってきていた。
「ねぇ、どうかしたんすか?…なんか尻がさっきより震えてんすけど…やっぱり視られて興奮したんでしょ…もうびしょびしょになってんのもバレバレっすよ…」
今は蔑まれる方がましだった。
怒りに感情がそちらに向く。
でも、反論する余裕はなくなっている。
結奈はなんとか階段を昇りきった。
四つん這いのまま振り向くように健人を見上げていく。
【もう許して…すぐに車まで戻して……】
そこまで間に合うのか?
間に合ってトイレまで我慢できるのか?
瞳を潤ませ、絞るように口を開いた。
「…車に戻して……」
健人はまだ女より一段下にいた。
尻を向けたままの女は明らかに追い詰められている。
悦しくて仕方がない。
「なんで?…もっと近くまで行こうよ…」
【なんでそんなにへらへらしてんの……】
結奈は怒りと切迫感にどうにかなりそうだった。
言うしかない。
こんなところでできる筈がない。
「…トイレに行きたいから…逃げたりしないからもう外してよっ……」
「くっ、くっ、くくくっ…なんすか?…もしかしておしっこしたいんすか?…もっと早く言えばいいじゃないっすか…」
心底、嫌な笑い方だった。
それでも戻ってくれるんだと思った。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


