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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第12章 《見えない王子》
翌日。
メモを回収した聡は、満足げに頷いた。
「ゆうか……か」
苗字までは書かれていなかった。
だが、聡にとってそれは些末なことだった。
むしろ、どこの家の娘かという「社会的な記号(苗字)」よりも、彼女自身を表す「名前」を手に入れたことの方が、征服感は強かった。
「警戒心が薄いのか、それとも僕に心を開いているのか……。まあ、後者だろうな」
聡はすぐに返事を書いた。
ここで終わらせてはいけない。もう一歩、深く踏み込む必要がある。
『ゆうかちゃん。可愛い名前だね。
響きが優しくて、君のイメージそのままだよ。
ちなみに、どんな漢字を書くのかな?
僕は「聡明」の「聡」。名前負けしてるってよく笑われるけどね』
あえて自分の漢字を先にさらけ出し、自虐を交える。
こうすることで、相手も教えなければならないという心理的義務感(返報性の原理)が働く。
そしてその読み通り、翌日の優香からの手紙には、その答えが記されていた。
『難しい漢字を知ってるんですね。頭が良さそうで素敵です。
私は、優しい香りで「優香」です。
名前負けしてるのは私の方です……』
「優香……」
聡はモニターに映る少女の姿と、その名前を重ね合わせた。
優しい香り。
まだ何の色にも染まっていない、無垢な蕾。
それを自分好みの色に変え、自分だけの香りを放つ花に育て上げる。
「いい名前だ。最高の名前だよ」
聡はパソコンのフォルダ名を『ターゲット』から『優香』へと書き換えた。
苗字など、いずれ嫌でもわかることだ。
今はただ、この愛らしい名前を独占できている事実だけで、聡は満たされていた。
メモを回収した聡は、満足げに頷いた。
「ゆうか……か」
苗字までは書かれていなかった。
だが、聡にとってそれは些末なことだった。
むしろ、どこの家の娘かという「社会的な記号(苗字)」よりも、彼女自身を表す「名前」を手に入れたことの方が、征服感は強かった。
「警戒心が薄いのか、それとも僕に心を開いているのか……。まあ、後者だろうな」
聡はすぐに返事を書いた。
ここで終わらせてはいけない。もう一歩、深く踏み込む必要がある。
『ゆうかちゃん。可愛い名前だね。
響きが優しくて、君のイメージそのままだよ。
ちなみに、どんな漢字を書くのかな?
僕は「聡明」の「聡」。名前負けしてるってよく笑われるけどね』
あえて自分の漢字を先にさらけ出し、自虐を交える。
こうすることで、相手も教えなければならないという心理的義務感(返報性の原理)が働く。
そしてその読み通り、翌日の優香からの手紙には、その答えが記されていた。
『難しい漢字を知ってるんですね。頭が良さそうで素敵です。
私は、優しい香りで「優香」です。
名前負けしてるのは私の方です……』
「優香……」
聡はモニターに映る少女の姿と、その名前を重ね合わせた。
優しい香り。
まだ何の色にも染まっていない、無垢な蕾。
それを自分好みの色に変え、自分だけの香りを放つ花に育て上げる。
「いい名前だ。最高の名前だよ」
聡はパソコンのフォルダ名を『ターゲット』から『優香』へと書き換えた。
苗字など、いずれ嫌でもわかることだ。
今はただ、この愛らしい名前を独占できている事実だけで、聡は満たされていた。

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