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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第14章 《劇薬の香り》
4月の半ば。
新学期の慌ただしさが少し落ち着いた頃、聡は次なる一手を打った。

前回の「シミ付きの雑誌」に対する優香の反応は、聡の予想を遥かに超えていた。
彼女は汚れることを嫌うどころか、そこに聡の存在を感じてキスをしたという。
それは彼女の性癖が本物であることの証明であり、同時に聡に対する崇拝にも似た愛情の証左だった。

「なら、次はこれだ」

聡は机の上に置かれた、薄いゴム製品を見下ろした。
先端に溜まった白濁した液体。
先ほど自身から排出したばかりの、生々しい命の素だ。

雑誌という媒体を通す必要はもうない。
聡はそれを丁寧に結ぶと、液体が漏れないことを確認し、ティッシュで包んでから小さなジッパー付きの袋に入れた。

「驚くかな……。でも、君ならきっとわかってくれるはずだ」

手紙には、あえて短くこう書いた。

『君にもっと、僕のリアルを感じて欲しくて』

聡はそれを封筒に入れると、夜の公園へと向かった。

   ◇

翌日の夕方。
優香はいつものようにベンチの裏を確認した。

(あった……!)

手にした封筒は、いつものような「本の重み」とは違っていた。
軽くて、どこか頼りない。
けれど、指先に伝わる感触に、優香は違和感を覚えた。

(なに、これ……? ぷにぷにしてる……)

雑誌ではない。
優香は鼓動が早くなるのを感じながら、足早に家に帰った。

部屋に入り、鍵をかけると、すぐに封筒を逆さにする。
コト、と机の上に落ちたのは、透明な小袋に入った「それ」だった。

「えっ……!?」

優香は思わず後ずさりした。
ゴム越しに見える、白い液体。
知識として、それが何であるかはすぐに理解できた。

(コンドーム……? 中に、入ってる……)

雑誌のシミとは訳が違う。
これは「現物」だ。
さっきまでさとるさんの体の中にあったものが、今、目の前にある。

あまりの衝撃に、優香は動けなかった。
触れる勇気が出なかった。
優香は震える手でそれを引き出しの奥深くに押し込むと、見なかったことにしてその夜を過ごした。
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