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エロ本を拾っただけなのに <女子高生・優香>
第18章 《解かれた魔法》
一方、公園を出ようとしていた優香は、ふと足を止めた。
(あ、ちゃんと奥まで入れたかな……?)
今日は北風が強い。さっき隠した手紙が、もし風で飛ばされて誰かに拾われたら大変だ。優香は不安になり、確認するために引き返した。
公園の入り口に戻り、ベンチの方を見る。そこには、人影があった。
(えっ……?)
優香はとっさに木の陰に身を隠した。誰かがベンチに近づいている。それは、背の高い男性だった。ニットにジャケットを羽織り、落ち着き払った所作。どう見ても、優香の父親に近い年齢の、中年男性だった。
(誰だろう……?)
男はベンチの裏に手を伸ばし、優香の手紙をスッと抜き取った。そして、その封筒を愛おしそうに見つめ、優しく微笑んだ。その横顔を見て、優香は息を呑んだ。
(え……?)
優香が想像していた「聡さん」のイメージ――若くて爽やかな王子様――とは違った。そこにいたのは、紛れもない「おじさん」だった。
(あの人が、聡さん……?)
男は公園を出ると、すぐ隣のマンションへ入っていく。優香は吸い寄せられるように後を追った。オートロックのないエントランスを抜け、エレベーターホールへ。男が乗り込んだエレベーターの表示階数は『9』で止まった。
優香は集合ポストの前に立った。『905』のプレートを見た瞬間、優香の心臓が早鐘を打った。
『SATORU TAKIMOTO』
アルファベットで書かれたその名前。SATORU。さとる。その文字を見た瞬間、優香はふらりと後ずさりした。
「……ほんとに、聡さん?」
名前が一致した。優香はエントランスからふらりと外に出て、9階の部屋を見上げた。
(9階……)
そこからは、公園のベンチが箱庭のように一望できるはずだ。今まで感じていた「見られている気配」。そして、的確すぎるタイミングでの指示。それは偶然ではなかった。彼はあの高い場所から、ずっと私を見下ろし、私の行動をすべて観察していたのだ。
普通の大人に見える彼が、冷徹な目で私を監視し、コントロールしていた。その事実が、底知れぬ恐怖となって優香を襲った。
(全部、見られてたんだ)
彼はこちらの顔も、制服も知っている。それなのに、私は彼がどんな人間か今の今まで知らなかった。
優香はどうしてよいかわからず、その場を逃げ出した。
(あ、ちゃんと奥まで入れたかな……?)
今日は北風が強い。さっき隠した手紙が、もし風で飛ばされて誰かに拾われたら大変だ。優香は不安になり、確認するために引き返した。
公園の入り口に戻り、ベンチの方を見る。そこには、人影があった。
(えっ……?)
優香はとっさに木の陰に身を隠した。誰かがベンチに近づいている。それは、背の高い男性だった。ニットにジャケットを羽織り、落ち着き払った所作。どう見ても、優香の父親に近い年齢の、中年男性だった。
(誰だろう……?)
男はベンチの裏に手を伸ばし、優香の手紙をスッと抜き取った。そして、その封筒を愛おしそうに見つめ、優しく微笑んだ。その横顔を見て、優香は息を呑んだ。
(え……?)
優香が想像していた「聡さん」のイメージ――若くて爽やかな王子様――とは違った。そこにいたのは、紛れもない「おじさん」だった。
(あの人が、聡さん……?)
男は公園を出ると、すぐ隣のマンションへ入っていく。優香は吸い寄せられるように後を追った。オートロックのないエントランスを抜け、エレベーターホールへ。男が乗り込んだエレベーターの表示階数は『9』で止まった。
優香は集合ポストの前に立った。『905』のプレートを見た瞬間、優香の心臓が早鐘を打った。
『SATORU TAKIMOTO』
アルファベットで書かれたその名前。SATORU。さとる。その文字を見た瞬間、優香はふらりと後ずさりした。
「……ほんとに、聡さん?」
名前が一致した。優香はエントランスからふらりと外に出て、9階の部屋を見上げた。
(9階……)
そこからは、公園のベンチが箱庭のように一望できるはずだ。今まで感じていた「見られている気配」。そして、的確すぎるタイミングでの指示。それは偶然ではなかった。彼はあの高い場所から、ずっと私を見下ろし、私の行動をすべて観察していたのだ。
普通の大人に見える彼が、冷徹な目で私を監視し、コントロールしていた。その事実が、底知れぬ恐怖となって優香を襲った。
(全部、見られてたんだ)
彼はこちらの顔も、制服も知っている。それなのに、私は彼がどんな人間か今の今まで知らなかった。
優香はどうしてよいかわからず、その場を逃げ出した。

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