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海に漂う星屑のように
第4章 佐倉陽菜多
☆☆☆
みなとみらい線『元町・中華街駅』
その改札前。

すっかり日が落ちた横浜の街を歩き、俺達はここで別れることにした。

「気をつけて帰れよ」
俺は陽菜多に言った。

そして、
「そういや、名乗ってなかったよな、俺。
 俺は師月だ、宗像師月。
 宗像大社の宗像に、師月は・・・こう書く」
空中に字を書いた。

「あとな・・・ちょっと待てな・・・」

俺は警察手帳にしまってあった名刺を一枚取り出すと、
その裏にボールペンでさらさらと書いて陽菜多に渡した。

「ほら・・・俺からの『手紙』・・・だ。
 代わりになんかならんだろうけど」
「これ・・・」

陽菜多が表を見て、ちょっと驚いたような声を上げる。
そこには、俺の肩書が『神奈川県警横浜北署 刑事課』と書いてあった。

「え?・・・刑事・・・さん?」
「そうだよ・・・変か?」
「うん、見えない」
「余計なお世話だ」

俺が言うと、陽菜多が笑った。
やっぱり、その笑顔はとても俺の好きな笑顔だった。

「なんか、困ったことあったら、いつでもここに来い。
 それから・・・」

くるっと名刺をひっくり返した陽菜多が、とても優しい顔で笑った。

「それから・・・そこにあるように、約束・・・だからな。
 守れよ?」

じゃ!と手を振って、俺は地上へのエスカレーターに向かう。
俺はみなとみらい線じゃ家に帰れないからだ。
そんな俺を見送る陽菜多が、ぎゅっと名刺を抱きしめた。

「師月!」

急に呼び捨てされて、俺は立ち止まった。

んだ・・・名前呼びから、いきなり呼び捨てかよ・・・

こりゃ文句の一つも言ってやろう、と振り返る。

っ!?

俺の唇に、
押し付けられてきた。
それは、陽菜多の唇だった。

「ありがとう」

俺が何かを言う前にそれだけ言って、陽菜多は改札に消えていった。
しばらく固まったようになって、その背中を見送る。

「バカヤロ・・・俺がって書いたじゃねえか・・・」

触れた唇が熱くて、
そして、俺の胸の中も、なんだかとても、
あったかい感じが残っていた。
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