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夜空に煌めくアラベスク
第2章 おうし座の女
その日は慌ただしかった。
実は現場でちょっとした事故があって、若い新人の男の子が足に傷を負ってしまったのだ。
牛島工務店は建築会社の小さな下請け会社だ。
従業員はわずかに5名ほどの有限会社。
社長という肩書きを持つ牛島健太郎の妻である美由紀も総務も会計も任されていて、肩書きは専務と呼ばれている。
- 美由紀、悪いんだが、僕ちゃんの付き添いをしてやってくれないか -
現場は締め切りに追い回されて、今は作業の手を止めることが出来ないと社長である夫の健太郎から連絡があった。
「僕ちゃんの怪我は酷いの?」
- いや、幸いにも骨には異常はなかったらしい。
それでも靭帯をやっちまってるからしばらく歩くのも困難だろうし、身の回りの世話をしてやって欲しいんだ -
「わかったわ、総合病院の整形外科よね?
行ってくるから」
- 頼むよ。家の事は息子夫婦が面倒をみてくれるから、気兼ねなく僕ちゃんについてやっててくれ -
着替えとか、持っていかないと…
でも、勝手にあの子の部屋に入れないので、とりあえず量販店でトランクスとシャツを何枚か買い込んで美由紀は病院に向かった。

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