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『春の嵐』
第4章 心美
そう言って、心美は、
「それにマフラーよ。セーターなんて気が遠くなるわ」
と、笑った。でも、クラスではセーターを送った。そして、コクったということになっていた。
「そうなの?てっきり、心美が恵樹くんにコクったのだと思っていたわ」
朋華が話すと、
「そんな勇気はないわ。だって、恵樹を狙っているのは、香菜とか早苗でしょ。それに、クラスの女子だって・・・。敵に回したら怖いもの」
と、心細い感じで話す心美。内心で朋華は思った。すでに、敵に回しているわ・・・。セーターだと思われたマフラーを渡して、恵樹くんが心美の住むマンションを訪問している時点で・・・。
でも、今更、マフラーは倒れたときに救急車を呼んでくれたお礼で、不登校になった心美を気遣って恵樹くんが宿題を伝え、ノートを見せただけと言っても、クラスの女子たちが納得するかしら・・・。しかも、あんな陰謀まで・・・。やる気満々の男子たちの顔を思い出して朋華は足が震えた。
姉が自宅の予定管理用のホワイトボードに、
「悪だくみを教えてあげなさい!」
と、書いて見せた。朋華は躊躇した。それは、そうだけど、それでは、自分がクラスの大半を裏切ることになる・・・。
「卒業まで、あと一か月」
ホワイトボードに姉が書き直して見せた。当校日数にすれば、二十日を切っている。カレンダーを見た朋華。数えた。十七日。しかも、学年末テストがあって、テスト返却、そして、午前中授業・・・。
心が決まった朋華。
「心美。落ち着いて聞いてね」
勇気を振り絞って朋華は、郁美や里奈、竜馬、駿介、智輝、匡彦、貫太郎、林太郎たちの陰謀を語った。
「恵樹くんの名前を使うか、他の方法を考えるかもしれないけど、心美の住むマンションに押し掛けるつもりよ。そして、『心美をシェアする』って言っていたわ」
話を終えた朋華。流れる沈黙。通話の向こうの心美の声は聞こえない。沈黙が続く。朋華が、不安になって、
「大丈夫?」
と、訊くと、
「う、うん。シェアって・・・」
と、絞り出すような声が聞こえた。
「たぶん、竜馬が振られた腹いせに、駿介に・・・。そこから郁美や里奈。他の男子へ広がったのだと思う。今日、郁美や里奈から仲間になるように、私も言われたわ」
朋華が話した。
「それにマフラーよ。セーターなんて気が遠くなるわ」
と、笑った。でも、クラスではセーターを送った。そして、コクったということになっていた。
「そうなの?てっきり、心美が恵樹くんにコクったのだと思っていたわ」
朋華が話すと、
「そんな勇気はないわ。だって、恵樹を狙っているのは、香菜とか早苗でしょ。それに、クラスの女子だって・・・。敵に回したら怖いもの」
と、心細い感じで話す心美。内心で朋華は思った。すでに、敵に回しているわ・・・。セーターだと思われたマフラーを渡して、恵樹くんが心美の住むマンションを訪問している時点で・・・。
でも、今更、マフラーは倒れたときに救急車を呼んでくれたお礼で、不登校になった心美を気遣って恵樹くんが宿題を伝え、ノートを見せただけと言っても、クラスの女子たちが納得するかしら・・・。しかも、あんな陰謀まで・・・。やる気満々の男子たちの顔を思い出して朋華は足が震えた。
姉が自宅の予定管理用のホワイトボードに、
「悪だくみを教えてあげなさい!」
と、書いて見せた。朋華は躊躇した。それは、そうだけど、それでは、自分がクラスの大半を裏切ることになる・・・。
「卒業まで、あと一か月」
ホワイトボードに姉が書き直して見せた。当校日数にすれば、二十日を切っている。カレンダーを見た朋華。数えた。十七日。しかも、学年末テストがあって、テスト返却、そして、午前中授業・・・。
心が決まった朋華。
「心美。落ち着いて聞いてね」
勇気を振り絞って朋華は、郁美や里奈、竜馬、駿介、智輝、匡彦、貫太郎、林太郎たちの陰謀を語った。
「恵樹くんの名前を使うか、他の方法を考えるかもしれないけど、心美の住むマンションに押し掛けるつもりよ。そして、『心美をシェアする』って言っていたわ」
話を終えた朋華。流れる沈黙。通話の向こうの心美の声は聞こえない。沈黙が続く。朋華が、不安になって、
「大丈夫?」
と、訊くと、
「う、うん。シェアって・・・」
と、絞り出すような声が聞こえた。
「たぶん、竜馬が振られた腹いせに、駿介に・・・。そこから郁美や里奈。他の男子へ広がったのだと思う。今日、郁美や里奈から仲間になるように、私も言われたわ」
朋華が話した。

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