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邂逅
第1章 邂逅

見つめ合っている女の放つ不穏な気配が肌身に触れる。その瞬間、二人の関係性は決まった。

突然、引き寄せられたかのように素早く相手との距離を縮め、手を伸ばして掴みかかろうとする。しかし、前方からも手が伸びてくるのが見え、狙いを変えて相手の手を掴む。
お互い手を絡めて押し合いの体勢になる。足元が水流であるため、激しい動き方はできず窮屈な思いをしなければならない。足元が安定しなければ自ら水流に身を沈めてしまうことになり、腕の力を緩めれば相手に押し倒されてしまう。両手両足に力を込めて体勢の均衡を保ちながら、それ以上の攻めを繰り出すしかない。

力比べを続行しつつ、自分の体をずらして相手を抑え込もうとする二人。すると、空形の方が突然バランスを崩し力が抜けてしまう。その隙を突いて淵音が空形の両手を弾き、小脇に相手の首を抱えて絞め始める。

空形「っ...!?ん...ぐっ......」

淵音の動きの方がやや大きく、空形はそれに振り回されてしまったのだった。
首に腕を巻き付けられて呼吸を奪われていく空形。唇の合間から吐息を次々と搾り出させられる。

空形「くは......こ、ふっ......」

表情はそっぽを向き、呼吸音は渓流が掻き消してしまうため、淵音は空形の様子を直接確認できない。だが腕に感じる手応え、確実にこの女の気道を捕らえている、という実感さえあればそれで十分だった。
せいぜい腕を掴むぐらいの抵抗しか受けていないのを好機と見て、足で後ろから空形の膝を蹴り崩す。

空形「っ...!!ふぅぅっ......」

一瞬体を宙に放り投げられたような感覚に襲われる。脚に流水が纏わりつき、膝から下の裾が濡れて重くなる。
身動きが取れないように追い詰められる恐怖と同時に、自分の服を汚した相手の高飛車な攻め方に苛立ちを覚える。

首を絞められながらも、目の前の脚を両手で抱え込んでしがみつく。母親が赤子を抱き上げる要領で、腕を体に沿わせて脚を持ち上げる。
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