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『間違い』電話
第2章 『密会』
『すみませんでした…本当に…』


『すみません』何度も聴いた言葉が、頭の中で反芻する…。


「いえ……あれから、ヒロミさんの番号は分かったんですか?」


『えっ…広実の…番号…』


憎い女だ…呼びつけが本音。


俺もなんで、面倒な事聞いちまったんだろ。


「失礼…出過ぎた事を…」


一応謝ると


『いえ……嬉しい…です…』


そう返答された。


思わず聞き返す。


「嬉しい…ですか?」


『はい……嬉しい……一人で悩んでいたので…友達にも相談、出来なくて』


あぁ…だからか…


一人で抱え込んで…辛くなって…


爆発して不倫相手に電話したら…間違って…


不安な時に話を聞いて貰えるだけでも、安心するもんだしな…。


「ナオコさん…普段は何を?」


『えっ…私は…専業主婦で…ただ家に居るだけです』


専業主婦ね…。


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