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『間違い』電話
第6章 『接近』
服を手に取り玄関に戻ると、素っ裸のままの尚子が床に座り込んでいた。


バサッ!


足元に服を無造作に、落として


「早く…帰ってくれ」


「ふっ…ひっく…賢…」


涙を流す瞳で見上げてくる。


ズキンッ…尚子ばかりが悪いん訳じゃない…


でも、同情すればするだけ、泥沼に引き摺り込まれて行ってしまう。


「悪いけど…もう、会わないから…電話もしないし…取らないよ…」


「ふっく…もう…こんな事…しないわ……ひっく…お願い一人にしないでぇ」


号泣して哀願する尚子を……

恐ろしく冷たく…



蔑んでいた。



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