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『間違い』電話
第7章 『誤想』
尚子を突き放してから、一ヶ月が経った。


何て事なく穏やかな日々に感じるのは、尚子との時間が強烈だったからなのか。


「平和って…凄い事だな…」


何事もなく…平凡に終わる1日が、こんなに大切に思えるなんて今まで無かったかもしれない。


これからは、麻里と穏やかな人生を築いて行こう。


右手にぶら下げた、小さなジュエリーショップの手提げを目の前に持ち上げた。


「給料…三ヶ月分…とまではいかなかったけどな…」


小さなダイヤを埋め込んだ、シンプルなデザインの結婚指輪。




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