この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
『間違い』電話
第7章 『誤想』
ガッシャ―ン!
感情のまま投げ付けたジュエリーケースは、ガラスの花瓶にぶつかり床に散乱した。
「は……はは…何でだよ……麻里…」
どこまで映っていたかは解らない…けど、嘘だと思って欲しかった。
「そんなもんだったのか…俺たちの10年って…」
自分の落ち度だと解っていても、言い訳もさせて貰えなかった焦燥感が、何とも受け止め難い。
この10年が一瞬で、麻里に否定された気持ちになってしまう。
壁に凭れて…背中を擦りながら床に落ちる。
首を傾げて、投げ付けた箱を見た。
「やっぱり…一緒に選べば良かったかな…」
麻里の笑顔を想像して、瞼を閉じると…
光の残像か…
瞼の裏に…
三日月が浮かんだ…。
「尚子っ!」
反射的に名前を叫んだ。
カシャ…
割れたガラスが、転がった。
「はぁ…話さないと…麻里に…ちゃんと…」
諦めちゃいけない…。
こんな形で俺たちの10年を終わらせて堪るか。
感情のまま投げ付けたジュエリーケースは、ガラスの花瓶にぶつかり床に散乱した。
「は……はは…何でだよ……麻里…」
どこまで映っていたかは解らない…けど、嘘だと思って欲しかった。
「そんなもんだったのか…俺たちの10年って…」
自分の落ち度だと解っていても、言い訳もさせて貰えなかった焦燥感が、何とも受け止め難い。
この10年が一瞬で、麻里に否定された気持ちになってしまう。
壁に凭れて…背中を擦りながら床に落ちる。
首を傾げて、投げ付けた箱を見た。
「やっぱり…一緒に選べば良かったかな…」
麻里の笑顔を想像して、瞼を閉じると…
光の残像か…
瞼の裏に…
三日月が浮かんだ…。
「尚子っ!」
反射的に名前を叫んだ。
カシャ…
割れたガラスが、転がった。
「はぁ…話さないと…麻里に…ちゃんと…」
諦めちゃいけない…。
こんな形で俺たちの10年を終わらせて堪るか。