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『間違い』電話
第7章 『誤想』
「ここ…会社の中だろ…」


「ふふ…大丈夫よ…皆結構やってるわよ…」


「はぁ?こんな事、簡単にする訳ないんじゃないか?」


怒気を含んで言い切ると…尚子は、肩を揺らして……


笑い出した。


「クックックッ…マイクロカード…本当に賢さんの映像だったの?」


ドックン…


何だって…


「どうゆう…意味だよ…」


「賢さんが映ってたら、私だけど…もし中身違ってたら…どんな映像だったのかなって…」


「…あっ……」


俺の映像じゃなかったら……


『賢…嫌…見ないで…』


麻里の言葉が浮かぶ…。


ドックン…
ドックン……


待てよ…何か見落としているのか…。


目元を手で覆って、麻里の言葉を繰り返した。


巻き付けた腕に力を入れ、尚子が


「賢さ~ん…抱き締めてくれたら、ヒント…あ、げ、る…ふっ!」


最後に耳の中に、息を吹き込んできた。


慣れない風圧に、ゾクッと気持ち悪くなる。


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