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『間違い』電話
第7章 『誤想』
込み上げる笑いを抑えながら


「宮沢さん…保険…どれがお奨め?」


「そ、それは……」


「宮沢さんの…お奨めに入るよ…」


「あの…助かるんですが…」


察してはいるな…取引に掛かるか…。


「誰にも言わないよ…君の立場を危うくする事はしないし…婚約者として麻里の事…心配なだけなんだよ…」


俯き加減で、少し落ち込んで見せると


「はい…それは…そうですよね…」


宮沢さんも、肩を落とした。


「あぁ…君なら解ってくれると思ったんだ!有難う!」


ガシッ!
片手を宮沢さんの手に重ねると


「きゃっ!野上さん!」


驚きながら…頬を赤らめた。


この子…男に免疫ないのか?


沸々と胸の奥から、黒いモノが沸き上がり掛ける。


最近、尚子と色々あり過ぎて、どこか可笑しくなってきてたのかもしれない。


「宮沢さん…この後…何か用事あるかな?」


「あ…いえ…特に何も…」


重ねた手をギュッと握り…


「もっと…色々…話しを聞かせて欲しいんだ…」


いつに無く優しく微笑んでみせた…。


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