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『間違い』電話
第7章 『誤想』
「野上さ~ん!ご馳走様でしたぁ~!」


「じゃあ…契約の方は、宜しくね…」


「はぁ~い!審査は大丈夫かと思いますからぁ~後日、証書が届きますので~」


「…有難う……」


あれから、近場のバーでお酒を飲む事にした。


彼女…宮沢は、これから麻里や尚子の職場の状況を知り得るのに、駒になる。


取り引きは簡単…
お客を何人か紹介するという事で成立させた。


『情報』…
これを出来るだけ把握して、操作した方が絶対優位に立てる。


「優位か…」


俺が勝ちたい相手は……

尚子なのか…
麻里なのか…。


ふと…頭を過る。


尚子は、保険会社で俺の住所を知ったのか?


麻里が勝手に、何本か俺に掛けていただろうし…。


でも、たまたま麻里の居る会社に勤めたのも考え難い。


そうだとしても、麻里と俺の関係に簡単には、辿り着かないだろう…。


「はぁ…疲れた…」


アルコールも少し回ってきたのか、身体が一気に怠くなった。

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