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『間違い』電話
第8章 『失意』
「作った…これを?」
割りと凝っている。
「ふふ…子どもが小さい頃は、毎日色んなの作ったのよ~。今は、彼氏や友だちとばかりで、構ってもくれないけどね…」
笑いながら話すけど…家族の話をする時の尚子は、どこか寂しさが漂っている。
「そう…なんだ」
「最近は食卓を囲む事も…無くなったな…」
微笑む様に細めた目が…少し潤んでいた。
「頂きます…」
腹も減ったし…無造作に一口頬張ると…
ほのかな甘さが丁度良くて…
「旨い…よ…」
自然と口を衝いていた。