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『間違い』電話
第9章 『調理』
チラリと上目遣いで、俺を見て


「じゃ…お泊まりしちゃおっかな…はい、ご飯」


「有難う…」


尚子の手から、ご飯か盛られた茶碗を受け取った。


妙に米が光っている気がするけど…


「あのさ…」


「お米も今朝、買ったのよ…全然ないんだもん」


麻里が出て行ってから、買いだめとかしてなかったからか…。


「ごめん…いくら?今まで合わせて一万で足りるかな?」


財布を取りに行こうとすると


「いいの!お金とか…いいの……」


「え…」


腕を尚子に、掴まれて


「こうやって…賢といられれば……いいから…」


潤んだ瞳で、見詰められた…。


ドクン…。


本当に…それだけで…いいのか?


「分かった…有難う…でも…君には子どもが居るから、色々まだ掛かるだろ…お金…無理しないでいいから…」


その言葉に尚子は、少し目を伏せて…


「ふふ…そうね…」 


自嘲的に笑った。


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