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『間違い』電話
第10章 『標的』
ゾクリ……


今まで散々、尚子には怖い思いをさせられたけど…


今見た表情は、見た事が無い程…
怒りが満ちていた。


「賢…この薔薇…綺麗よね…」


花束から一本抜き出して、俺の鼻先に突き付ける。


「あぁ…綺麗だな…」


見事なビロードの様な…

深紅の花弁。


「あの…店員みたいに…綺麗…?」


「尚子…?」


「ねぇ…綺麗…」


何て答えればいいんだ…取り敢えず…


「あぁ…綺麗…だよ…」


ブチッ!


一瞬で…

薔薇の頭は、もぎ取られた…。



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