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『間違い』電話
第11章 『誘導』
駅ビルの中に入っている、カフェに入る。


いつも混んでいるが、全体的に落ち着いた雰囲気で、静かに過ごせる。 


二人分の席が丁度空いていて、座る事が出来た。


「ブレンドのSサイズで…」


のんびりした雰囲気でコーヒーを飲みながら、宏実を待つ。


スマフォのディスプレイを確認するが、宏実からは連絡は一回も来ていない。


一見、真面目だった…。


約束は一応守るだろう…と、漫然と思った。


しかし…また…
何でよりにもよって…

尚子の旦那なんだ…。


だからって…他の旦那だったらいい訳でもないけど…。


普通に美人なんだから…独身の男とかと付き合えよ……。


まさか…宏実も…既婚者だったり?


20時までの時間潰しに、あれこれと考えを巡らしていた。


そして時間が過ぎ…スマフォに着信が入る。


20時9分。


画面には、見知らぬ番号…。


宏実かな…


通話をタップして、耳元に寄せる。


「はい…野上です…」

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