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『間違い』電話
第11章 『誘導』
『すみません…お待たせしました…兼子です…今向かってますので…』
「分かりました…お待ちしてます」
通話を切った履歴を見返す…
確かに『カネコ宏実』…の声だった…。
数分後…
約束通り、宏実は現れた…。
「はぁ…すみません…コーヒー…頼んで来ます…はぁ…」
宏実は息を切らしていた。
「もしかして…走ったんですか?」
「はぁ…お待たせしてるかと…」
苦笑しながら、コートを背凭れに掛ける。
あの人混みを…わざわざ…。
少し胸が、苦しくなった…。