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第11章 『誘導』

「元は…私が泣いてしまったせいで…岩村さんにご迷惑を掛けたから…お詫びも兼ねて、お食事に誘ったんです…」


「…食事に…」


宏実から、誘ったのか…。


「安いお店なんですけどね…岩村さんと凄い話が盛り上がってしまって…それから…時たま食事したり…飲みに行くようになったんです……」


綺麗な顔して…少女の様に語るけど…
そんな美談で終わらないよな…。


「で…自ずと…男と女の関係になったんですか…？」


一瞬…宏実の表情は強張り…


小さく頷く…。


「はい…お互い…気付いたら…求め合ってました…」


形の良い瞳から…一気に涙が溢れ出した。