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『間違い』電話
第11章 『誘導』
まぁ…良くあるパターンだろうし、美人に儚げに頼られたら…大抵は転ぶかな…。


「そうですか…このまま続ける気ですか…」


宏実の前にティッシュを差し出す。


「すみません…」


数枚引き抜き、涙を拭う。


尚子の大泣きと違って、泣き顔も色っぽいな…。


「続けられる訳…無いですよね…」


続ける気ないんだ…なら…いつかは別れる気なんだ…。


「でも…岩村さんは…離婚するから…私も離婚して欲しいって…」


「離婚…岩村さんが…」


そこまでハマってたのか…。


「家は…遅かれ早かれな状態ですが…岩村さんの所は…私のせいで……うっ…」


また宏実は、ボロボロと泣き出したが…


思いっきり冷めた目で、眺める俺がいた…。


その涙が…本物か…嘘かなんて…


どうでもいいんだよ…。


あんたらは実際『不倫』して…


俺も尚子と『逃避』して…


これからあんたを『誘惑』する…。


そこに誰の『正義』も存在していないんだ…。


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