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『間違い』電話
第1章 『間違い』電話
「はぁ…鬱陶しいな…」


今日は空は、生憎の雨模様。


シトシト降り続く雨が、何も無くても気分を暗くさせていく。


何でだろうな…
やっぱり、生き物だから太陽の光を浴びたら元気になるのかもしれない…。


そんな柄にもなく生物学的な事を考えながら、営業先帰りで立ち寄った喫茶店で俺はコーヒーを飲んでいた。


『ブルルルル…』


バイブで震えたスマートフォンのディスプレイを確認する。


「またか…」


憂鬱な理由は、他にもあった。


「たく…今日で何回目だよ…」


登録が無い番号から、本日留守電5件と、着信23件。


新手の嫌がらせかよ…。


商談中だったから出れなかったけど、溜まっていた留守電を再生し始めた。


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