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『間違い』電話
第3章 『越度』
尚子を追っ掛けてホテルのロビーに着くと、部屋の内装が掲示された壁の前で立ち尽くしていた。
「宏実…宏実……どこよ……宏…実…」
傷付いたレコードみたいに『ヒロミ』を繰り返す。
昼間なのに、お盛んな事に使用中の部屋は結構あった。
今なら間に合う!
「尚子さん…取り敢えず、ホテルに入る所は録画した訳だから…今日は帰ろうよ…」
「…ない……自分ばかり…私が今まで……どれだけ……私だって…」
「尚子…さ…ん?」
尚子は急に空室の部屋を指して
「この部屋にするっ!」
「はぁ?入ってどうするの?」
「あの人ばかり…狡い!」
「えっ!ちょっと!」
尚子は丁度降りてきたエレベーターに、走り込んでしまった。
冗談じゃないっ!
俺は帰る!
向きを変えて出口に向かおうとした時だった…
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
「なっ!」
ドアに挟まれそうになりながら、尚子が大声で泣き出した。
「宏実…宏実……どこよ……宏…実…」
傷付いたレコードみたいに『ヒロミ』を繰り返す。
昼間なのに、お盛んな事に使用中の部屋は結構あった。
今なら間に合う!
「尚子さん…取り敢えず、ホテルに入る所は録画した訳だから…今日は帰ろうよ…」
「…ない……自分ばかり…私が今まで……どれだけ……私だって…」
「尚子…さ…ん?」
尚子は急に空室の部屋を指して
「この部屋にするっ!」
「はぁ?入ってどうするの?」
「あの人ばかり…狡い!」
「えっ!ちょっと!」
尚子は丁度降りてきたエレベーターに、走り込んでしまった。
冗談じゃないっ!
俺は帰る!
向きを変えて出口に向かおうとした時だった…
「うわあぁぁぁぁぁ!!」
「なっ!」
ドアに挟まれそうになりながら、尚子が大声で泣き出した。