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『間違い』電話
第3章 『越度』
「ひぃっく…ぐす…ふぁあぁぁぁ!」


まるで子供みたいだ…。


俺は急いで駆け寄って、座り込んでる尚子の肩を掴むと…


「賢さぁん!」


思いっきり寄っ掛かられて、尻餅付いた。


ガツンッ!


「あたっ!」


エレベーターのドアに、頭をぶつける始末。


更に入り口から若いカップルが入って来て、怪訝な顔で俺たちを見た。


このままだと、俺が無理矢理連れ込んだみたいじゃないか!


慌ててエレベーターの中に、二人で転がり込んだ。


ブイィィィン…


ドアが閉まったが、階数を押してないから動かない。


「尚子さん…大丈夫?」


「ひっく…ふっ…ぐす…」


大量に溢れ出した涙は、俺の胸元を濡らしていく。


埒が明かない!


「尚子さん…取り敢えず…部屋に入ろうか…」


「ひっく…は…い…」


落ち着くまで、部屋に居る事にした。


あぁ…本当に、面倒だなぁ…。


立ち上がって、ボタンを押そうとして


「えっと……」


「三…階…」


ボソリと尚子が…

呟いた…。

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