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第12章 『遭遇』

「え…」


誰だ！？


振り向くと、神経質そうなインテリ系の男が立っていた。


「あなた…」


『あなた 』…宏実の旦那か？


まさか旦那にまで遭遇するとは、思わなかったな。


でも、こんな時間に家に帰るのか？
一応挨拶をしておくか…。


「初めまして…野上と申します」


名刺をだすと、細い指を綺麗に揃えて受け取り


「ご丁寧に…兼子と申します…」