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第13章 『思索』

「じゃぁ…誰が一番…犠牲者だと思う…」


「犠牲者…？」


尚子の顔から笑みが消えて…
睨み付ける様に、目を細める。


「尚子…君か？」


「私…と賢…私たちだと…思わない？」


「俺…たち？」


犠牲者は…『俺と尚子』


尚子は小さく頷いて、俺の肩に手を掛けてきた。


「麻里が兼子と不倫しなかったら…宏実も旦那と不倫にまで至らなかった…」


ドックン…


背中がジンワリと汗ばんでくる。