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『間違い』電話
第13章 『思索』
バシッ!


「何ですか…これ?」


兼子は怪訝な顔をした。


テーブルに叩きつける様に置いたのは、兼子と麻里の情事が記録されたカード。


「ある日…このカードが麻里の元に送られて来ました」


「…それで?」


「俺が家に帰ると…麻里はカードを見詰めて泣いていました…そして間も無く家を出て行った…」


あの日の事が記憶に蘇ってきて、胸の奥から怒りが湧いてくる。


「中身…今、確認されますか?お持ち帰り頂いてもいいですが…」


専用の再生機じゃなくても、見れる様にコピーをして来た。


目の前で知らしめてやりたいが、兼子の前で麻里の喘ぎ声を聴くのは正直、悔しく思えた。




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