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第13章 『思索』

「本当だったら…て…嘘を言ってるって事ですか？」


兼子は口端を少し上げて


「いえ…そんな決めつけはしてません…ただ、その場に立ち会った訳ではないので…」


俺が麻里と付き合ってたのは、察したのか…。


「では…麻里と一緒に会ってくれませんか…」


「はぁ～？個人間の痴情の縺れに首を突っ込む程、野暮じゃありませんよ…」


兼子特有の威圧的な態度に、神経を逆撫でされそうになる。


「奥様に…関わる事かも…しれなくても…」


「でしたら…私ではなくて…妻を同席させますか？」


カッ！！


怒りが一気に吹き上がる。


ふざけんなっ！