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『間違い』電話
第14章 『魔性』
宏実は客にお辞儀をし終わって、頭を上げる途中で俺の姿に気付いた。


一瞬驚いた顔を見せたが、直ぐに笑顔に戻り近付いて来る。


「賢さん…わざわざ来てくれたんですか?」


「あぁ…どうしても…気になって…」


「あら…賢さん心配性なのね…もう大丈夫そうですよ」


何の憂いも無さ気に笑う宏実は、綺麗だった。


宏実の本来の姿は…?


「大丈夫って…本当に?」


「えぇ…一応、近くの交番にも相談しておきましたし…」


そうじゃなくって…


「旦那…君の旦那の事だよ…?」



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