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『間違い』電話
第15章 『連鎖』
苦しげに黙り込む俺に、宏実は少しは落ち着いて来た様で…
「私たちが…似た者同士だった訳ね…あの二人の関係がどうやって始まったかは分からないけど…兼子と小林のせいで賢さんも私も傷付いた…」
宏実はそっと手を伸ばし…
俺の頬に触れる…。
輪郭をなぞる指先は…
ひんやりと冷たかった…。
潤む瞳を少し細めた顔は綺麗で…
「私たち…一緒にやり直さない?」
「やり直す…?」
「えぇ…同じ傷を負ったならば…慰め合えると思うの…」
慰め合う…か…。
情けないけど今の俺には、甘く囁く宏実の言葉がオブラートの様に優しく心を包み込みそうだった…
けど…
それも一瞬の出来事だった…。
「私たちが…似た者同士だった訳ね…あの二人の関係がどうやって始まったかは分からないけど…兼子と小林のせいで賢さんも私も傷付いた…」
宏実はそっと手を伸ばし…
俺の頬に触れる…。
輪郭をなぞる指先は…
ひんやりと冷たかった…。
潤む瞳を少し細めた顔は綺麗で…
「私たち…一緒にやり直さない?」
「やり直す…?」
「えぇ…同じ傷を負ったならば…慰め合えると思うの…」
慰め合う…か…。
情けないけど今の俺には、甘く囁く宏実の言葉がオブラートの様に優しく心を包み込みそうだった…
けど…
それも一瞬の出来事だった…。