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『間違い』電話
第5章 『侵襲』
翌日…お昼近くになった時だった。


「野上さ~ん!受付にお客さんだって!」


部署の同僚が、内線を伝えてくれた。


「分かった!サンキュー!」


席を立って、受付に向かう。


「今日誰かアポとか、あったっけ?」


エレベーターのボタンを押しながら、記憶を巡らした。


朝、予定は確認したから…飛び込みで何かかな?


エントランス階に、エレベーターが到着する。


受付の女の子が振り向いて、俺に気付き


「こちらの…お客様です」


揃えた指先の向こうには…


「なっ…何で…君…」


胸に荷物を抱えて…


ニッコリと笑う、市松人形。


「賢さん!来ちゃった!」


昨日のホテルで浮かべてた…


三日月の様な口元を浮かべた…




尚子が居た…。

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