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『間違い』電話
第5章 『侵襲』
「ちょっと…尚子さん…」


「わあぁぁぁん!ひいぃぃぃぃ!」


尚子の泣き声は、余計酷くなった。


もう直ぐ昼時とあって、人も多目に居るのに…。


漏れなく皆、俺たちをジロジロと見て行く。


ヤバい連れ出すのも目立つし…一か八か…。


「分かった!お弁当、有難う!食べるよ!」


早口で言うと…


「ひっく…本当?」


真っ赤な瞳が、上目遣いで覗いてきた。


「あぁ…わざわざ作ってくれたんだろ…食べるから…」


「ぐす…嬉しい…賢さん…置き手紙していくから…もう会えないかと思って…」


「…そう…なんだ…」


意味が解らない?
また、俺に会うつもりでいたのか?



「だって…昨日……凄く…」


今度は頬を赤らめて、意味深に見詰めてくる。


「凄く…って…?」


「やだっ!賢さんのエッチ!」


パシン!軽く叩かれた。

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