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2026人質交換を託された女 (下巻)
第1章 救出
キーボードの音だけが鳴り響く。変わらない速度で打たれていく。
里紗の唇が、ゆっくりと開いた。何を口にするのか分からないまま、言葉だけが先に押し出される。
「……性行為がありました」
その言葉が出た瞬間、医師の入力がピタリと止まる。キーに触れていた指が、そのまま動かなくなる。
診察室が沈黙に支配される。
医師の視線が画面から外れ、里紗へ向いていく。その顔からは血の気が引いていた。すぐに視線が戻され、指が何事もなかったように動き出す。
だが、椅子が引かれ、医師は立ち上がった。
「少しお待ちください」
それだけを残し、診察室を出た。
扉がそっと閉じられる。室内には沈黙が続き、壁掛け時計の秒針――それが刻まれる音だけが、部屋に聞こえていた。
里紗は自身を抱きしめるように、両腕で体を覆い続けていた。
里紗の唇が、ゆっくりと開いた。何を口にするのか分からないまま、言葉だけが先に押し出される。
「……性行為がありました」
その言葉が出た瞬間、医師の入力がピタリと止まる。キーに触れていた指が、そのまま動かなくなる。
診察室が沈黙に支配される。
医師の視線が画面から外れ、里紗へ向いていく。その顔からは血の気が引いていた。すぐに視線が戻され、指が何事もなかったように動き出す。
だが、椅子が引かれ、医師は立ち上がった。
「少しお待ちください」
それだけを残し、診察室を出た。
扉がそっと閉じられる。室内には沈黙が続き、壁掛け時計の秒針――それが刻まれる音だけが、部屋に聞こえていた。
里紗は自身を抱きしめるように、両腕で体を覆い続けていた。

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