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2026人質交換を託された女 (下巻)
第1章 救出
***
薄いピンクの検査服が、里紗の体を包んでいた。紙の下着が肌に触れ、乾いた感触だけが残る。布は軽いのに、体は重く、その場に座ったまま動かない。
彼女は診察室に通された。
白い机と端末の画面が光り、男の医師は、キーボードを叩き続けている。
「どこか体に違和感はありますか?痛いところはないですか?」
抑揚のない、一定の声で問われる。医師は画面から目を離さない。
里紗は答えない。声は届いていたが、意味としては入ってこなかった。呼吸が喉の奥で止まり、吸った空気がそのまま残る。視線が落ち、手の位置だけが僅かに揺れる。
キーボードの音が続く。同じリズムで打たれ、間を置かずに次の項目へ移る。
「目眩はありますか?吐き気は…?」
医師からの問いが続く。だが、里紗は口を開かない。
里紗は、縄の感触が体に甦る。締め付けられていた位置。その皮膚の上に線として残り、そこだけ肌の温度が上がる。彼女の両腕が、体の前に引き寄せられる。触れるように、摩るように、覆うように、そのまま止まる。
彼女の呼吸が浅くなる。喉が動き、声が出せない。
薄いピンクの検査服が、里紗の体を包んでいた。紙の下着が肌に触れ、乾いた感触だけが残る。布は軽いのに、体は重く、その場に座ったまま動かない。
彼女は診察室に通された。
白い机と端末の画面が光り、男の医師は、キーボードを叩き続けている。
「どこか体に違和感はありますか?痛いところはないですか?」
抑揚のない、一定の声で問われる。医師は画面から目を離さない。
里紗は答えない。声は届いていたが、意味としては入ってこなかった。呼吸が喉の奥で止まり、吸った空気がそのまま残る。視線が落ち、手の位置だけが僅かに揺れる。
キーボードの音が続く。同じリズムで打たれ、間を置かずに次の項目へ移る。
「目眩はありますか?吐き気は…?」
医師からの問いが続く。だが、里紗は口を開かない。
里紗は、縄の感触が体に甦る。締め付けられていた位置。その皮膚の上に線として残り、そこだけ肌の温度が上がる。彼女の両腕が、体の前に引き寄せられる。触れるように、摩るように、覆うように、そのまま止まる。
彼女の呼吸が浅くなる。喉が動き、声が出せない。

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