この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SAKURA(さくら)
第5章 八重桜 1 弥生
6
「あのネクタイは、美卯にもらったんす」
「知ってるわ…」
異動の一日前だから、今日まて約二週間…
連絡どころか、LINEさえもないという。
そして、あの人と柄違いのネクタイ…
あの人の残り香が、『サクラ』に変わった事実。
それはつまり…
そういうこと、なのだろう――
「そうなんだぁ、そんなに連絡が来ていないんだぁ…
じゃぁ、寂しいわね……」
これは、わたしのズルさ――
「い、いや、寂しくなんかないっす」
「………」
「お、オレには、弥生さんがいるから、寂しくないっすから…」
慶太はそう囁き、わたしを抱き寄せてくる。
「………」
そう、わたしの…
「や、弥生さんが…」
唇が、近寄ってくる…
「………」
大人のオンナの…
「す、好きっす……」
ズルさ――
「……あ、けいた………」
だから…
あの人の、残り香が変わっても…
「や、弥生さん、好きっす…」
「………」
慶太の残り香を…
わたしのムスクに、変えれば…
「け、けいたぁ…わ、わたしも………」
心は、揺らがずに、保てられるから――
「や、弥生さん、好きっす…」
「ああ、けいたぁ……」
わたしは、三度目の海に、沈んでいく…
いや、慶太に、融けていく。
心の海は、意外に穏やかであった――
「……ぁぁ………っくぅぅ…………ぅ……………」
――――――
――――
―――
――
―
「……………っ……………はっ…………」
「………………………」
隣で、慶太が、眠っていた。
「……ふぅぅ……ぁぁ…………」
どうやら、わたしは、そのまま寝落ちしてしまったみたい…
「………」
慌てて時計を確認すると…
間もなく、午前二時になる。
「………」
スマホを確認する…
LINEが一つ…
『新規同行営業で帰れない』
「ふ…」
わたしは、思わず、笑みが漏れてしまう…
そして、隣で寝ている慶太を見る。
「………」
まだ、わたしに…
言い訳してくれるんだ……と。
「あのネクタイは、美卯にもらったんす」
「知ってるわ…」
異動の一日前だから、今日まて約二週間…
連絡どころか、LINEさえもないという。
そして、あの人と柄違いのネクタイ…
あの人の残り香が、『サクラ』に変わった事実。
それはつまり…
そういうこと、なのだろう――
「そうなんだぁ、そんなに連絡が来ていないんだぁ…
じゃぁ、寂しいわね……」
これは、わたしのズルさ――
「い、いや、寂しくなんかないっす」
「………」
「お、オレには、弥生さんがいるから、寂しくないっすから…」
慶太はそう囁き、わたしを抱き寄せてくる。
「………」
そう、わたしの…
「や、弥生さんが…」
唇が、近寄ってくる…
「………」
大人のオンナの…
「す、好きっす……」
ズルさ――
「……あ、けいた………」
だから…
あの人の、残り香が変わっても…
「や、弥生さん、好きっす…」
「………」
慶太の残り香を…
わたしのムスクに、変えれば…
「け、けいたぁ…わ、わたしも………」
心は、揺らがずに、保てられるから――
「や、弥生さん、好きっす…」
「ああ、けいたぁ……」
わたしは、三度目の海に、沈んでいく…
いや、慶太に、融けていく。
心の海は、意外に穏やかであった――
「……ぁぁ………っくぅぅ…………ぅ……………」
――――――
――――
―――
――
―
「……………っ……………はっ…………」
「………………………」
隣で、慶太が、眠っていた。
「……ふぅぅ……ぁぁ…………」
どうやら、わたしは、そのまま寝落ちしてしまったみたい…
「………」
慌てて時計を確認すると…
間もなく、午前二時になる。
「………」
スマホを確認する…
LINEが一つ…
『新規同行営業で帰れない』
「ふ…」
わたしは、思わず、笑みが漏れてしまう…
そして、隣で寝ている慶太を見る。
「………」
まだ、わたしに…
言い訳してくれるんだ……と。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


