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SAKURA(さくら)
第5章 八重桜 1 弥生
 5

「はぁぁ……ん、んん………」

 そして、この慶太の若さからの、荒々しさも、初めてであった――

「はぁ、ふうぅ、や、やよいさん…」

「え…ま、また、もう…なの…」

「は、はい、もうっす」

「ふ、す、すごいのね…」

「あ、いや、やよいさんが、魅力的だから…」

 そう呟きながら、再び、固く、熱い猛りが、太腿に当たってくる…

「も、もお……」

「何回だって、できるっす」

「あぁ、けいたぁ…」

 この若さと、荒々しさが…

 わたしには、堪らなくなってきていた――

 この慶太に抱かれ、愛されていると…

 いや…

 愛されれば、愛されるほどに…

 まるで、自分も若返っていくみたいに、心が軽くなり…

 ぜんぜん、心が重くなってこない――
 
 それは、慶太のこの明るいキャラからによるものと…

 そして、もうひとつ、あった――


「あぁぁ、ふうぅ、ね、ねぇ…」

「はぁ、はぁ、はぁぁ、は、はい…」

「ち、ちょっと、一旦、止め、あ、休憩ね…」

「あ……は、はい…」

 慶太が、すぐに三回目の流れに動き始めそうなので、わたしは慌てて、制止した。

「ふうぅ、もお……」

「す、すいません…」

 わたしは、ベッドにうつ伏せとなり、部屋を見渡していく…

「意外に、きれいじゃないの…」
 そう、部屋は、予想以上にきれいに、整理整頓されていた。

「いつ?」

 そして、わたしは、問う…

「は、はい、え…」

 そう、この部屋には、彼女である美卯ちゃんの…
 影と匂いが残っているから――

 最後に彼女が部屋を訪れたのは…

「いつ?」

「あ、え…と……」

「……」
 
「確か、異動の一日前だったっす」

「そう……」

「は、はい…」
 
「それからは?」

「来て…ないっす…」

「ふぅん…」

「ほ、ホントっすよ、最近は、LINEだって、ぜんぜんで…」

「そう…なんだぁ………」

 そう呟き、ハンガーに掛かっている、ネクタイを見る――

「あ、美卯にもらったんす…」

「知ってるわ…」

 見ていたから――

 そのネクタイは、あの人と色違い…

 そして…

 同じ『サクラ』という、フレグランスの香りが…

 滲み込んでいるから――

 だから…

 心の『Themis(テミス)』が…

 傾かないのだ―――

 

 
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