この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
SAKURA(さくら)
第1章 しだれ桜
6
「色々…あるの…よ……」
弥生さんは、痕の残る左手を目の前に上げ、そう囁いた…
「……」
俺には…
どう応えてよいのか、わからない。
いや、きっと…
こんな時は、黙っていればいいんだろうと思っていた。
「まぁ、まだ、慶太くんには分からないだろうけど…」
そう囁き、その左手で、ワイングラスを唇に運んでいく。
「……」
その艶やかな唇に、鼓動が揺れる。
「ううん、そのうち分かる…かなぁ……」
香りが…
もっと、近くなった気がした。
「ふうぅ…もう一杯飲んじゃおうかなぁ…」
目が、濡れて見える。
「……」
どう…
いや、何を話していいのかさえ、分からない。
「なんか…楽しい…わ……」
弥生さんは、そう囁き…
カウンターの下で、左脚を組直す。
「……っ」
その時…
組んだ脚に走る、一本の、ストッキングの伝線のスジが目に入り…
思わず、見つめてしまう。
「あ……」
すると…
弥生さんの左指が、そのスジに触れてきた。
「さっきも…」
「え…」
「会社でも…ずうっと…見てたわよね……」
「あ、い、いや…」
「見て…たわ…よ……」
逸らずに、見つめてくる。
「………」
まるで、覗きがバレてしまったみたい…
背中に、一筋の冷たいモノが、流れ落ちていく。
「見てたわ…よね……」
「っ…」
弥生さんに右手を掴かまれ…
「……」
目が、逸らせない…
「あ…」
そして自ら、膝の伝線へと、導いてきた。
「見てたわよ…ね……」
手が、引けない…
「う…」
触れる、ストッキングの生地…
指先から感じる、ナイロン繊細のほつれ…
そして…
「ストッキング…好き…なの……」
薄い生地を隔てて、伝わってくる…
弥生さんの、愁い―――
「あ…」
その時…
『ほら、あの弥生さんのパンスト…』
『堪らねぇよなぁ…』
『触りてぇなぁ…』
『直に舐めてみてぇなぁ…』
この前の、同期の羨望の呟きが、浮かんできた。
「好き………なの………」
逸れずに、見つめてくる、濡れた目に、心が震え…
鼓動が跳ね…
動悸が速くなる。
「は…ぃ……す、好き………っす…………」
触れている、指先が、じわりと熱くなってきた―――
「色々…あるの…よ……」
弥生さんは、痕の残る左手を目の前に上げ、そう囁いた…
「……」
俺には…
どう応えてよいのか、わからない。
いや、きっと…
こんな時は、黙っていればいいんだろうと思っていた。
「まぁ、まだ、慶太くんには分からないだろうけど…」
そう囁き、その左手で、ワイングラスを唇に運んでいく。
「……」
その艶やかな唇に、鼓動が揺れる。
「ううん、そのうち分かる…かなぁ……」
香りが…
もっと、近くなった気がした。
「ふうぅ…もう一杯飲んじゃおうかなぁ…」
目が、濡れて見える。
「……」
どう…
いや、何を話していいのかさえ、分からない。
「なんか…楽しい…わ……」
弥生さんは、そう囁き…
カウンターの下で、左脚を組直す。
「……っ」
その時…
組んだ脚に走る、一本の、ストッキングの伝線のスジが目に入り…
思わず、見つめてしまう。
「あ……」
すると…
弥生さんの左指が、そのスジに触れてきた。
「さっきも…」
「え…」
「会社でも…ずうっと…見てたわよね……」
「あ、い、いや…」
「見て…たわ…よ……」
逸らずに、見つめてくる。
「………」
まるで、覗きがバレてしまったみたい…
背中に、一筋の冷たいモノが、流れ落ちていく。
「見てたわ…よね……」
「っ…」
弥生さんに右手を掴かまれ…
「……」
目が、逸らせない…
「あ…」
そして自ら、膝の伝線へと、導いてきた。
「見てたわよ…ね……」
手が、引けない…
「う…」
触れる、ストッキングの生地…
指先から感じる、ナイロン繊細のほつれ…
そして…
「ストッキング…好き…なの……」
薄い生地を隔てて、伝わってくる…
弥生さんの、愁い―――
「あ…」
その時…
『ほら、あの弥生さんのパンスト…』
『堪らねぇよなぁ…』
『触りてぇなぁ…』
『直に舐めてみてぇなぁ…』
この前の、同期の羨望の呟きが、浮かんできた。
「好き………なの………」
逸れずに、見つめてくる、濡れた目に、心が震え…
鼓動が跳ね…
動悸が速くなる。
「は…ぃ……す、好き………っす…………」
触れている、指先が、じわりと熱くなってきた―――

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


