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シアター"名画座"で逢いましょう
第4章 シアターを抜け出して

シアター内に"ブー"とチャイムが鳴り、壁際のウォールライトが少しずつ暗くなってゆく。
どうやら休憩が終わって二本目の映画が上映されるようだ。

日菜子は暗がりに目を凝らして前方に座っていたはずの佳純が着席していないことを確認した。

「佳純ったら、映画が始まるのにまだ戻ってこないわ…」

独り言のように呟いた日菜子の声を聞き漏らさず「まさか本気で長いトイレだとは思っていないよね?」と、隣の男が顔を近づけて耳元で囁く。

「トイレじゃないとしたら何だって言うの?」

日菜子も負けじと男の耳元で尋ねてみた。

「男と腕を組んで出て行ったんだよ?まさかその男と連れションでもしていると本気で思っているのかい?」

「えっ?まさか?トイレで?!」

「そう、そのまさかだよ
いやらしい映画を見ながら隣からちょっかいを出されてムラムラしちまったんだろ。
男と女が意気投合したら、することは一つだろ?」

「そんな…佳純に限ってそんなことはあり得ないわ!」

日菜子はスマホを取り出して佳純に連絡をいれようとした。

小さなスマホの画面の灯りは、暗いシアター内では目立つ。

「やめろよ、上映中のスマホ操作なんてマナー違反だろ!」

ほら、そんな無粋な真似はやめて、せっかく暗くなったんだから、また体を触らせてくれないか?
そう言って男の手は日菜子の体を触り始めた。

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