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エロ本を拾っただけなのに2 ~熟母・香代子~
第27章 《狂おしい愛と罪を抱きしめる新しい家族》
──【2024年 春〜2025年】

4月半ば。優香が産院を退院し、我が子を抱いて905号室へ戻ってきたその日の午後。
香代子が、深く頭を下げ、大粒の涙を流してリビングに立っていた。

「優香……ごめんなさい、本当にごめんなさい……っ」

優香の退院の日まで、聡はあえて香代子に「優香がすべてを知っている」という事実を伏せていた。それは出産直後の優香の身体を気遣ってのことでもあり、優香自身も「私から許しの言葉をかけたいから」と、聡に口止めをしていたのだ。
退院の前夜、ついに聡から病室での出来事を聞かされた香代子は、自らがしでかした罪の深さと、身重でありながらすべてを許してくれた娘の底知れぬ愛情に打ちのめされていた。

「お母さん、もう泣かないで」

優香は、スヤスヤと眠る赤ん坊をベビーベッドに寝かせると、母の元へ歩み寄り、その震える肩を優しく抱きしめた。

「聡さんの『妻』という地位だけは、絶対に渡さないよ」

優香のその言葉には、決して揺るがない正妻としての強いプライドと威厳がこもっていた。香代子は涙で顔を濡らしたまま、ただ深く頷く。

「でもね……これからは、同じ聡さんを好きな女として。一緒に聡さんと、子どもたちのために頑張っていこう?」
「優香ぁ……っ、ありがとう……ありがとう……!」

香代子は声にならない嗚咽を漏らし、娘の胸で泣き崩れた。
自分は決して1番にはなれない。それでも、愛する男と、その正妻である娘に許され、2番目の女として生きる。香代子の中で、狂おしいほどの感謝と覚悟が決まった瞬間だった。
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