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エロ本を拾っただけなのに2 ~熟母・香代子~
第27章 《狂おしい愛と罪を抱きしめる新しい家族》
そして季節は巡り、真夏の日差しが降り注ぐ8月22日。
香代子もまた、無事に新しい命を産み落とした。

「……また、女の子だったな」

分娩室で赤ん坊を抱き上げ、聡が苦笑いしながら呟いた。
あの病室で漏らした「男の子だったら」という彼のささやかな願いは届かなかった。しかし、その瞳には愛おしさが溢れている。

「ふふっ、聡さん、残念だったね」
「これからは、女4人に囲まれて肩身が狭くなるわよ」

ベッドの上の香代子と、駆けつけた優香が、顔を見合わせて幸せそうに笑い合う。
血の繋がりが複雑に絡み合ったその赤ん坊を、3人は心からの祝福と喜びで出迎えた。

   ◇

現在、2025年。
あの日、公園のベンチで封筒に入ったエロ本を優香が拾い、聡と出会ってから5年。

かつて、41歳の独身男が1人で暮らしていた、広く冷たかった905号室。
今、そこのリビングに飾られた大きな写真立ての中には、穏やかに微笑む聡と、その両脇に寄り添う美しく成長した2人の女。そして、彼女たちの腕の中で無邪気に笑う、2人の小さな姉妹の姿が写っていた。

誰にも理解されない、歪で、狂おしいほどに純粋な家族。
かつて孤独だった男の部屋は今、5人の笑い声が絶えない、世界で1番温かい場所になっていた。
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