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兄と幼なじみといとこに愛されて
第1章 それぞれのファーストキス
嘘でしょ?」
私は弾かれたように起き上がる。額を痛みが走ったが、構わずに窓の片側のカーテンを開けた。
赤いスポーツカーの中のふたり。運転席は兄で、助手席にいるのは間違いなく詩織だ。
唇と唇のふれあいがフロントガラス越しに見えた
啄むような口付けから、徐々に情熱的なディープキスへ。
兄の手が詩織のショートボブを撫で、背中をぐいと引き寄せる。詩織が兄の腕にしがみつく。
兄の舌が詩織のうなじをなぞる。詩織の肩がビクッと震えた。
「覗き見はそのくらいにしとけ」
一樹がサッとカーテンを閉めた。その声には私への気遣いがあった。
私は唇を抑えてわなわなと震えた。胸が締め付けられる。
「どうして……詩織ちゃん……俊治くんのこと……好きだって言ってたのに……」
「信さんのことも好きなんだろう。幼い頃から、懐いてたしな」
「それは憧れみたいなもので……本命は俊治くんだと……」
そこで、私は一樹の言葉を思い出した。
「俊治も鈍感だが、君もたいがいだな」
一樹は周りの気持ちには敏感だった。突き刺さる言葉を放ったのには、理由があったのだ。
「……一樹くん……わかってたの……お兄さんと詩織ちゃんのこと」
「気づいていた。かなり前からな」
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