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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第106章 裏切りの重奏
鬼頭の会社、東洋アセットインベストメントに出勤した雄一の始業時間は9時だった。一方、社長である鬼頭は、今日はあえてゆっくりと出社することを心掛けていた。というのも、始業時間から自分がオフィスにいるとなると、まだ澪と一緒にいるだろうと思っている雄一に不審に思われるかもしれないからだ。
オフィスで時計を気にしていた雄一は、始業時間を過ぎても鬼頭が会社に来ていないことを確認し、胸の奥をどす黒い不安に染め上げられていった。
(鬼頭さんは、まだ来ていない……。やっぱり、まだ澪と一緒にいるのか……)
最愛の妻が今この時間もあの男に蹂躙され続けているかもしれないという、暗く悲痛な気持ちが雄一の心を支配していく。
そんな雄一が会社で複雑な思いを抱えている真っ最中、当の澪は、鬼頭ではなく、別の若い男――時雨崎との朝食を楽しんでいた。 ホテルの洗練されたレストランで、美味しい料理を前に時雨崎と会話を交わす時間は、確かに心休まる楽しさがあった。けれど、どれだけ目の前の時間を楽しんではいても、澪の心の中心にあるのは常に夫の雄一であり、愛娘の紬のことだった。
(朝食まで律弥くんに付き合って、そうしたらすぐに帰宅しよう……)
昨夜、深く傷ついていた彼を癒したいという一心でここまで寄り添ったが、これ以上は引き延ばせない。朝食が終わったら部屋に戻り、置いてある荷物をまとめて家路につく――澪はそんな心づもりで、時雨崎と共に再びホテルの客室へと戻った。
部屋に入るなり、私物をバッグに詰めて帰宅するそぶりを見せる澪に対して、時雨崎もまた、寂しげな表情を浮かべながらも自分の帰宅する準備を整え始めた。 このホテルのチェックアウト時間は12時。時雨崎もそれは当然知っており、本音を言えば、正午ギリギリまで部屋でもう少し澪と楽しむことができるのではないかと思っていた。しかし、家庭のある澪が急いで帰ろうとするのを、強引に止めるのは違うとも思っていた。
オフィスで時計を気にしていた雄一は、始業時間を過ぎても鬼頭が会社に来ていないことを確認し、胸の奥をどす黒い不安に染め上げられていった。
(鬼頭さんは、まだ来ていない……。やっぱり、まだ澪と一緒にいるのか……)
最愛の妻が今この時間もあの男に蹂躙され続けているかもしれないという、暗く悲痛な気持ちが雄一の心を支配していく。
そんな雄一が会社で複雑な思いを抱えている真っ最中、当の澪は、鬼頭ではなく、別の若い男――時雨崎との朝食を楽しんでいた。 ホテルの洗練されたレストランで、美味しい料理を前に時雨崎と会話を交わす時間は、確かに心休まる楽しさがあった。けれど、どれだけ目の前の時間を楽しんではいても、澪の心の中心にあるのは常に夫の雄一であり、愛娘の紬のことだった。
(朝食まで律弥くんに付き合って、そうしたらすぐに帰宅しよう……)
昨夜、深く傷ついていた彼を癒したいという一心でここまで寄り添ったが、これ以上は引き延ばせない。朝食が終わったら部屋に戻り、置いてある荷物をまとめて家路につく――澪はそんな心づもりで、時雨崎と共に再びホテルの客室へと戻った。
部屋に入るなり、私物をバッグに詰めて帰宅するそぶりを見せる澪に対して、時雨崎もまた、寂しげな表情を浮かべながらも自分の帰宅する準備を整え始めた。 このホテルのチェックアウト時間は12時。時雨崎もそれは当然知っており、本音を言えば、正午ギリギリまで部屋でもう少し澪と楽しむことができるのではないかと思っていた。しかし、家庭のある澪が急いで帰ろうとするのを、強引に止めるのは違うとも思っていた。

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