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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第34章 商談の色香
金曜日の朝、澪は凛とした佇まいで鬼頭のオフィスへと出勤しました。ここ十日ほどの平穏なリズムが彼女に自信を与え、鬼頭への信頼感も少しずつ深まっていました。
昼前、デスクで書類を精査していた澪のもとへ、鬼頭が歩み寄ってきました。
「鴫原くん、今やっている仕事は夕方までに一度区切りをつけておいてくれ。夕方から重要な商談があり、その後は予定通り会食になる。君にも同席してほしい」
澪が驚いて詳細を尋ねると、鬼頭は手帳を閉じながら穏やかに続けました。
「夜遅くなるだろうから、シッターには既に俺から伝えてある。雄一くんと紬ちゃんの食事の面倒まで見るように手配済みだ。安心して仕事に集中してくれればいい」
その手際の良さと家族への配慮に、澪は感謝を伝え、指示に従いました。
「夕刻、二人が向かったのは、政財界のフィクサーとも噂される不動産界の大物、神楽坂宗厳(かぐらざか むねよし)のオフィスでした。
神楽坂は初老に差しかかっているものの、背筋はすっと伸び、鋭い眼光と隙のない身のこなしには年齢を感じさせない若々しさがあった。その落ち着き払った威圧感は、長年にわたり財界の中枢に君臨してきた男ならではのものだった。
神楽坂のオフィスで行われた商談は、極めて大規模な開発プロジェクトに関するものでしたが、空気は凍りついたように停滞していました。澪が的確な補足説明を行っても、神楽坂は「ふむ……」と不敵な笑みを浮かべるだけで、核心には触れようとしません。鬼頭は必死に食い下がりましたが、神楽坂の態度は頑なで、時間だけが虚しく過ぎていきました。」
「……そろそろ時間ですね。続きは会食の席でじっくりと伺いましょう」
神楽坂の促しで、一行は場所を移すことになりました。車で十分ほどの場所にある、看板のない高級割烹です。
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