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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第37章 人妻開脚商談
午後、鬼頭のデスクに置かれた直通電話が鳴った。
「はい、鬼頭です。……ええ、神楽坂さん。先日はどうも」
相手は不動産界の大物、神楽坂宗厳だった。鬼頭は落ち着いた、それでいて敬意を払った態度で言葉を交わしていく。
「水曜の午後ですね。はい、具体的な話を詰めましょう。もちろんです、今回の専任担当である鴫原も同行させます。……ええ、承知いたしました。失礼します」
電話を切った鬼頭は、深く椅子に身を預け、澪を静かに手招きした。澪がデスクのそばへ歩み寄ると、彼は周囲に聞こえないよう、極めて小さな、押し殺したような声で話し始めた。
「鴫原君。神楽坂さんから、水曜午後に打ち合わせの指定があった。君も同行してもらうことになった」
「はい。専任として、必要な資料はすべて揃えておきます」
澪はプロフェッショナルとして淀みなく応じた。神楽坂が自分に抱いている個人的な関心や、あの視線の意味は百も承知だ。場所が相手のオフィスである以上、表向きは正当な商談だが、その裏にある意図を無視することはできない。
鬼頭は一度視線を落とし、苦渋を滲ませるように眉間に皺を寄せた。そして、さらに声を潜めて続けた。
「……神楽坂さんは、先日の君のプレゼンにいたく舌を巻いたと言っていた。そして、君が女性としても非常に魅力的であることも、よく分かったと。水曜の商談でも、その『魅力』を期待している、と言い添えてきた」
鬼頭の手が、机の上で硬く握りしめられる。そこには、他ならぬ自分の「愛人」である澪を、交渉のために他人の前に晒さねばならないことへの、言いようのない不快感と葛藤が滲んでいた。
「……君を、他の男の前に差し出すのは、本音を言えば不本意だ。だが、神楽坂さんを満足させられなければ、夫君の借金の件もこれ以上は守りきれなくなるかもしれない。……頼む、鴫原君」
その囁きは、澪にとって逃れられない宣告だった。鬼頭にとって、澪を供することは決して本意ではない。他に手段がないからこその苦渋の選択であり、そこには彼女に対する申し訳なさが確かに存在していた。
神楽坂という巨大な存在が自分を求めている。週末に夫と確かめ合った愛の余韻を心の奥底に秘め、澪は迫りくる水曜日の午後に向けて、再び深い淵へと足を踏み出そうとしていた。
「はい、鬼頭です。……ええ、神楽坂さん。先日はどうも」
相手は不動産界の大物、神楽坂宗厳だった。鬼頭は落ち着いた、それでいて敬意を払った態度で言葉を交わしていく。
「水曜の午後ですね。はい、具体的な話を詰めましょう。もちろんです、今回の専任担当である鴫原も同行させます。……ええ、承知いたしました。失礼します」
電話を切った鬼頭は、深く椅子に身を預け、澪を静かに手招きした。澪がデスクのそばへ歩み寄ると、彼は周囲に聞こえないよう、極めて小さな、押し殺したような声で話し始めた。
「鴫原君。神楽坂さんから、水曜午後に打ち合わせの指定があった。君も同行してもらうことになった」
「はい。専任として、必要な資料はすべて揃えておきます」
澪はプロフェッショナルとして淀みなく応じた。神楽坂が自分に抱いている個人的な関心や、あの視線の意味は百も承知だ。場所が相手のオフィスである以上、表向きは正当な商談だが、その裏にある意図を無視することはできない。
鬼頭は一度視線を落とし、苦渋を滲ませるように眉間に皺を寄せた。そして、さらに声を潜めて続けた。
「……神楽坂さんは、先日の君のプレゼンにいたく舌を巻いたと言っていた。そして、君が女性としても非常に魅力的であることも、よく分かったと。水曜の商談でも、その『魅力』を期待している、と言い添えてきた」
鬼頭の手が、机の上で硬く握りしめられる。そこには、他ならぬ自分の「愛人」である澪を、交渉のために他人の前に晒さねばならないことへの、言いようのない不快感と葛藤が滲んでいた。
「……君を、他の男の前に差し出すのは、本音を言えば不本意だ。だが、神楽坂さんを満足させられなければ、夫君の借金の件もこれ以上は守りきれなくなるかもしれない。……頼む、鴫原君」
その囁きは、澪にとって逃れられない宣告だった。鬼頭にとって、澪を供することは決して本意ではない。他に手段がないからこその苦渋の選択であり、そこには彼女に対する申し訳なさが確かに存在していた。
神楽坂という巨大な存在が自分を求めている。週末に夫と確かめ合った愛の余韻を心の奥底に秘め、澪は迫りくる水曜日の午後に向けて、再び深い淵へと足を踏み出そうとしていた。

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