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聖母-愛と犠牲の果て-
第3章 第一章:非情な契約
鴫原家の自宅。一睡もできぬまま夜が明けたが、室内の空気は澱み、死のような重苦しさが満ちていた。
「……澪、やっぱりダメだ。僕のせいで、君があんな男のところへ行くなんて……」
雄一は床に膝を突き、震える手で澪の腰に縋り付いた。愛する妻を差し出す屈辱、そして娘に不自由をさせている不甲斐なさ。自分の力ではどうにもできない無力感が、彼を精神的に追い詰めていた。
「パパ、泣いてるの……?」
隣の寝室から、パジャマ姿の紬が目をこすりながら現れた。澪は咄嗟に涙を拭い、震える夫の肩を抱き寄せながら、自分に言い聞かせるように微笑んだ。
「大丈夫よ、紬。パパはちょっとお仕事のことで考え事をしていただけ。……雄一さん、私は大丈夫だから。紬のためにも、ね」
たとえ自分がどうなろうと、この人を救い、娘の未来を守りたい。その芯の強い母性と献身が、彼女を地獄へと向かわせる。しかし、彼女自身まだ気づいていなかった。そのたおやかな体が、実は人一倍快楽に敏感で、一度火がつけば抗えない脆さを孕んでいることに。
「……澪、やっぱりダメだ。僕のせいで、君があんな男のところへ行くなんて……」
雄一は床に膝を突き、震える手で澪の腰に縋り付いた。愛する妻を差し出す屈辱、そして娘に不自由をさせている不甲斐なさ。自分の力ではどうにもできない無力感が、彼を精神的に追い詰めていた。
「パパ、泣いてるの……?」
隣の寝室から、パジャマ姿の紬が目をこすりながら現れた。澪は咄嗟に涙を拭い、震える夫の肩を抱き寄せながら、自分に言い聞かせるように微笑んだ。
「大丈夫よ、紬。パパはちょっとお仕事のことで考え事をしていただけ。……雄一さん、私は大丈夫だから。紬のためにも、ね」
たとえ自分がどうなろうと、この人を救い、娘の未来を守りたい。その芯の強い母性と献身が、彼女を地獄へと向かわせる。しかし、彼女自身まだ気づいていなかった。そのたおやかな体が、実は人一倍快楽に敏感で、一度火がつけば抗えない脆さを孕んでいることに。

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