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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第40章 夫同席の羞恥商談
雄一は正面を向いたまま、深く、深く頭を下げた。畳みかけるようなその熱意と、妻を想うがゆえの決意に、百戦錬磨の鬼頭も一瞬、言葉を失って圧倒された。
(……ほう、これほどの男だったか)
鬼頭は、正面で頭を下げる雄一の姿を見つめながら、冷徹な計算を働かせ始めた。 当初、神楽坂への接待は、惚れ込んだ澪を文字通り「提示」する苦肉の策であった。しかし、もし夫である雄一がその場に同席すればどうなるか。いかに好色な神楽坂といえど、夫の目の前でどこまで露骨で卑猥な要求を突きつけられるだろうか。
(夫が監視役としていれば、神楽坂も手出しがしにくくなる……。そうなれば、澪をむざむざあの男の毒牙にかける必要もなく、商談だけを成立させられるかもしれん)
鬼頭の口角が、内心のほくそ笑みを隠すように微かに動いた。神楽坂の欲求を適度に削ぎつつ、契約をもぎ取る。そのための「盾」として、雄一を利用できると考えたのだ。
「……ふん。そこまで言うなら、勝手にしろ。ただし、商談の邪魔をすれば、その瞬間に君たちの契約はすべて白紙だ」
鬼頭はわざと溜息をつき、根負けしたような振りを装って告げた。
「……感謝する」
雄一が顔を上げ、希望の光を宿した瞳で澪を見た。澪もまた、夫の隣にいられる安堵感に胸を震わせ、静かに頷き返した。
しかし、ただ夫として同席させるわけにはいかない。鬼頭はすぐさま実務的な指示を出した。外部には雄一も鬼頭の下で働くスタッフであり、今回のプロジェクトの一員であるという体裁を整えることにしたのだ。
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