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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第73章 違うオスを求める人妻
澪がその胸の内で冷徹な決断を下した、まさにその瞬間だった。
ベッドの上で、腰にバスタオル一枚の織部と、完全に全裸の真壁が汗ばんだ肌を激しく擦り合わせ、獣のようにもつれ合っているその光景に向けて、パチ、パチ、と乾いた拍手の音が響いた。
「おや、実に見苦しくも素晴らしい、剥き出しの野性が弾けているね。まるで古代ギリシャのレスリングを見ているようだ」
ソファから携帯電話のカメラを向けたまま、神楽坂が低く滑らかな声で、皮肉に満ちたウィットを利かせて語りかけてきた。その声音には、男たちの無様な衝突を極上の喜劇として楽しむような、冷酷な愉悦がたっぷりと含まれている。
神楽坂はゆっくりと立ち上がると、カメラを二人から外すことなく、ベッドのすぐ傍らへと歩み寄ってきた。その冷徹な支配者の風格を漂わせた足音と威圧感が室内に満ちると、掴み合いを演じていた織部と真壁の身体は、まるで冷水を浴びせられたかのようにぴたりと動きを止めた。
「真壁くんの溢れんばかりのスタミナと情熱には、私もカメラ越しに深く感銘を受けたよ。だがね、このまま君だけのワンマンショーが続いてしまっては、この美しい夜のエンターテインメントとしては少々、彩りに欠けると思わないかい? 映画だって、同じ主役がずっと力任せに暴れ回るだけでは、観客は途中で退屈してしまうものさ」
神楽坂はふっと唇を歪め、真壁を咎める風でもなく、ただゲームの主催者としての冷徹な機知を披露するように言葉を続けた。真壁はすでに射精感も収まり、いつでも織部をねじ伏せるだけの体力を残していたが、神楽坂の醸し出す絶対的な空気と、その理路整然とした言葉の前に、それ以上動くことができず、呆然としたまま固まっていた。
解き放たれた織部は、肩を激しく上下させながらベッドの上に膝をつき、真壁への憎悪に満ちた視線を向けたままでいた。
そして、神楽坂の視線は、シーツの上に横たわる澪へと向けられた。その瞳には、彼女の心理を試すような、鋭い光が宿っている。
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