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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第95章 女体の摂理がもたらす刹那の静けさ
鬼頭はゆっくりとソファーから立ち上がると、澪の目の前へと歩み寄り、その顎を長い指先でグイと持ち上げた。その瞬間、鬼頭の纏う空気がビジネスのそれから、一気に淫靡な主従のそれへと変貌する。冷徹な瞳が、怯える澪の瞳を真っ向から見下ろした。
「それから、澪。……俺とキスをするんだ」
「え……っ?」
いつもの「澪くん」という仕事の呼び方ではなく、愛人としての呼び名である「澪」と呼び捨てにされ、さらに「俺」という一人称を使った鬼頭の剥き出しの要求に、澪だけでなく雄一も愕然として声を失った。愛人の澪にキスを要求したのだ。呆然とする二人に対し、鬼頭は傲慢とも言える、しかし激しい独占欲を孕んだ口調でその理由を語り始めた。
「俺は君と愛人契約を交わしている立場だ。それでありながら、これまではルールを厳格に守り、君とのキスをずっと我慢してきた。それなのに、今週末になれば、他の男……真壁とかいう男におめおめと君の唇を奪われるという。そんな理不尽な話が、俺にとって納得がいくと思うかい? 他の男にその唇を許すくらいなら、その前に俺が君の唇を奪うのが筋というものだ」
「鬼頭、さん……」
澪の唇が小刻みに震える。愛人契約という絶対的な主従関係を盾にされ、さらに今週末の決定事項を引き合いに出されては、拒むことなど出来なかった。雄一は、目の前で再び妻の尊厳が別の男に支配されていく光景を、ただ拳を血が滲むほど握り締めながら見つめるしかなかった。
「それから、澪。……俺とキスをするんだ」
「え……っ?」
いつもの「澪くん」という仕事の呼び方ではなく、愛人としての呼び名である「澪」と呼び捨てにされ、さらに「俺」という一人称を使った鬼頭の剥き出しの要求に、澪だけでなく雄一も愕然として声を失った。愛人の澪にキスを要求したのだ。呆然とする二人に対し、鬼頭は傲慢とも言える、しかし激しい独占欲を孕んだ口調でその理由を語り始めた。
「俺は君と愛人契約を交わしている立場だ。それでありながら、これまではルールを厳格に守り、君とのキスをずっと我慢してきた。それなのに、今週末になれば、他の男……真壁とかいう男におめおめと君の唇を奪われるという。そんな理不尽な話が、俺にとって納得がいくと思うかい? 他の男にその唇を許すくらいなら、その前に俺が君の唇を奪うのが筋というものだ」
「鬼頭、さん……」
澪の唇が小刻みに震える。愛人契約という絶対的な主従関係を盾にされ、さらに今週末の決定事項を引き合いに出されては、拒むことなど出来なかった。雄一は、目の前で再び妻の尊厳が別の男に支配されていく光景を、ただ拳を血が滲むほど握り締めながら見つめるしかなかった。

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